ISBN:410401303X 単行本 小川 洋子 新潮社 2003/08/28 ¥1,575

通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示したくれた『博士』
彼は、記憶が80分しか持続しない障害を持っている。
しかし、彼の与えてくれる数式は、すべてが驚きと輝きで溢れていた・・・。

話は淡々と進んでいきますが、何故か心が揺り動かされます。
家政婦の「私」のまっすぐな気持ち、10歳の息子の純粋な眼差し、そして博士の透明な心。
読み終わった時には、心が透き通った気がしました。
たくさんの涙が出た。
博士が愛してくれた「私」の息子。
博士が「√(ルート)」という呼び名をつけてくれた。
どんな数字でも嫌がらず自分の中にかくまってやる、寛大な記号、「ルート」
彼の成長が、桜井には1番嬉しかったです。
思ったとうりに成長してくれた。大きくなっても博士に頭をなでられてくれた。庇護する対象でいれくれた。
そして、ステキな大人になった。
博士、「私」、そしてルート!みんな大好きです。

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